日時
2016(平成28)年12月8日 13時30分~15時30分
場所
甲府市総合市民会館
参加者
自治体 23名、県 4名、大学 2名、企業 3社、協会 1団体 (総人数 40名)
講演1「地域のニーズから考えるコールセンターの役割」
講師:望月宗一郎先生 (山梨県立大学看護学部講師)
講演内容
一人暮らし高齢者や重度の身体障害者を対象に、行政の福祉サービスの一環として提供されている「緊急通報システム(ふれあいペンダント)」の相談通報の利用状況及び山梨県安心安全見守りセンターが行っている「お元気コール」の通話内容から、地域在住高齢者の生活ニーズについて考察を試みました。「相談通報」においてコールセンターは消防署への救急出動依頼、近隣協力員の対応依頼、その他ホームヘルパー等関係機関への対応依頼など通報・相談内容に応じて解決に向けた的確な対応を行っており、利用者の満足度も上がっていることが確認できました。
「お元気コール」は、高齢者に特有の疾患や症状に対する相談には、特に看護職の配置が効果を出している事に加え、利用者の「将来に対する不安」への対応については、地域包括ケアシステムを考える上で今後コールセンターが担う役割が徐々に変化し大きくなってくる事も十分示唆されます。
以上の内容の丁寧な調査データの報告が行われました。
講演2「地域包括ケアシステムの行方」
新しい福祉ビジョンと新地域支援事業の現状と課題
講師:土屋幸巳先生 (公益財団法人さわやか福祉財団戦略アドバイザー)
講演内容
「介護予防・日常生活支援総合事業」は、従来の機能向上重視の介護予防事業から、住民、ボランティア、NPO等が実施する通いの場や生活支援も含めた介護予防と生活支援を生活圏域で一体的に展開し、地域包括ケアシステムの構築推進を目指そうというものです。 「生活支援コーディネーターや協議体をどのように選出すればよいのか」地域での支えあい活動が展開し地域での通いの場や生活支援が始まることにより、「高齢者などの自立や介護予防効果がどのように生まれるのか」これらの課題が事例を交えて講演が行われました。
意見交換
座長 中井道夫先生 (山梨学院大学法学部政治行政学科教授)
地域包括ケアシステムにおける「地域づくり」について幾つかの市町村の担当者から現状と課題が報告され、県の担当者からは高齢者福祉サービスの国の施策と対応について意見が述べられました。後半には土屋講師と、都市計画を専門とする中井教授、保健福祉行政学を専門とする望月講師による、住民が主体の地域づくりについて検討会としては初のシンポジウム的な意見交換が行われ、予定時間を大幅に超過して盛況のうちに閉会となりました。